WINDOW(財)高知県交流協会
2001 世界の笑顔あつまれ
Spring No.28


〈特集〉
フィリピン・ベンゲット州子ども派遣
外交の窓 in 南国
 「国際フォーラム2001」開催
韓国光州市中高生来高
民間国際交流団体紹介
 「高知・フレスノ姉妹都市委員会」
Letters from Abroad
 川上 確也(タンザニア)
 大田 裕世(バングラデシュ)

左上・右下:折り紙を教える山中雅香子(あかね)ちゃん
   (下八川小・5年)
左下・右上:フィリピンの子どもたちと交流する
   石原浩信君(岸本小・6年)




外交の窓 in 南国「国際フォーラム2001」開催

  平成13年2月16日、住民の国際理解を深めるための国際フォーラムが南国市と外務省の共催により、南国市のホリデイ・イン高知で開催されました。会場にはたくさんの市民が詰め掛け、講師の話に熱心に耳を傾けていました。基調講演とパネルディスカッションの一部を紹介します。



「アジアの中の日本・新世紀の
    展望〜日中関係を中心に〜」

元中国大使 佐藤 嘉恭

 明治維新となり、日本は繁栄を謳歌し、欧米諸国と対等な関係を築きあげましたが、その繁栄は長続きしませんでした。そこには、日本がアジアの立場に立って、アジアの目線で物事を考えるということが薄らいでいったという背景があります。
 これからの外交、国際交流を展開する際には、交流する相手の立場に立って物事を考えていくということを歴史の教訓から学びとることが必要です。また、過去の問題に対して正しい認識を持つことも、諸外国から信頼を得るためには大切なことです。
 中国では二つの大きな変化が起きています。一つは近々、中国がWTO世界貿易機関に加入することです。これは中国市場を世界の国々と同じルールで開いていくということで、国営企業においても自分たちの競争力を高めるための努力がなされています。
 もう一つの変化は中国西部の大開発で、日本から見れば遠い奥地に見えますが、タイ、ミャンマー、インドなどからすれば近い位置になり、エネルギー資源は豊富で国営企業や大学などもあり、発展の要素は整っています。西部開発によって、5年、10年後には大きな産業基盤を持った地域になる可能性があります。



「住民参加の国際交流・協力 〜南国土佐発地球行き〜」

コーディネーター

宮下 孝之 (外務省国内広報課課長)

パネリスト 

坂本 孝幸 (ボランティアグループあかつき会)
前田 正也 (高知希望工程基金会)
エバ ガルシア デル サス (アジア・僻地医療を支援する会)



坂本
 国際交流を行うことで、それが地域に何をもたらすかが問われています。イベントも一過性で終われば意味が薄れてきますので、地道に継続することが大切です。  
 国際化、高齢化といった時代の変化の中で、地域の特色を生かして交流活動を行うことにより、それが市民意識の変化につながってもらいたいし、行政への提言も行っていきたいと考えています。

前田
 私たち高知に住んでいる者みんなが、外国に出かけて行って活動できるわけではないですが、地域にいながらでも世界に貢献することはできます。外国人と友だちになったといったレベルでも効果はありますが、高知にいてのちょっとした出会いが、世界に貢献する人物との交流につながる可能性もあります。私たちが、その意識を持って接するかどうかが問題で、私たちの見識、歴史認識が重要です。

エバ
 インドネシア、イリアンジャヤ州に住むダニ族の要請により医療活動を行っています。メンバーは高知医科大学の学生が中心で、人材育成という意味もあります。 
 ダニ族は最近まで原始的な生活をしていました。支援を行う際には、インドネシア語を介して話し合いをし、ダニ族の医療、教育制度、文化などを理解した上で、相手の立場に立って必要な支援を行うようにしています。

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