高知県・ベンゲット州友好新聞 vol.7


←前のページ ▲最初のページ


デルフィン・L・ルフィノ

ベンゲット州ブギアス市

土壌分析
食物栄養 高地での鳥糞肥料
堆肥づくり
灌漑について



膨らむ私の夢

 高知に来たのは2度目。研修、生活、どれをとってもとても面白く充実していました。日本語は以前に比べ上達しましたが、まだ十分ではありません。今後も続けて勉強したいと思います。

 日本食は、天ぷら、うどん、鍋料理、漬け物などが好きです。飲み物は、お茶から日本酒まで楽しみました。日本の食材を使ってフィリピン料理を作ることもありました。まぐろやかつお、豆、玉ねぎ、にんにくなどで作る『シニガング』という魚スープや、鶏肉、ジャガイモ、にんにく、塩コショウ、お酢、そしてフィリピンのしょう油を使って作る『アドボ』という料理がおすすめです。

 日本人は仕事第一の人が多いですね。私たちは家族をもっと大切にします。絆の深い家族と離れ、ホームシックにもなりました。でも、前回は手紙だけだっだ連絡手段に今回は携帯電話が加わり、とても救われました。また、言葉の壁があったにもかかわらず、友人や講師、高知に住んでいる従兄弟やその家族のおかげで楽しい生活になりました。休日は山登り、スキー、温泉などの県内様々な観光地を巡り、日曜日は教会のミサに出席しました。一番印象深いのは、フィリピンにはない『温泉』の気持ちよさです。フィリピンにはないので、とてもユニークな経験でした。

 フィリピン人は日本人同様の優れた知識を持っていますが、フィリピンの政府は産業に補助金を支給しません。昔、フロレージーというフィリピン人が蛍光灯を発明しましたが、政府から補助金がおりず、発明家は特許を外国人に売りました。フィリピンでは、良い考えや発明があっても実現がとても難しいのです。また、現在フィリピンでは政府が参加している世界貿易機構の貿易自由化協定が農家や畜産家に悪影響を与えています。外国から輸入される安い野菜と肉によって、国内産の消費が激減しているのです。

 研修では、日本語の壁がありましたが、沢山のことを学び、今後役立つものを習得できました。即戦力となる実験研修が多く、極めて複雑な機会を使う技術以外は故郷の農業主に伝え、現在の技術も改革したいと思います。また、労力に合わない堆肥の良さを見直し、使用を促進し、最終的には一般化するつもりです。様々な問題を抱えている現実をどうにか改革できるよう、私たちが努力していかなければいけないと思います。




エリセオ・B・ピタス

ベンゲット州サブラン市

野菜や米にいる害虫、病原体、寄生虫についての観察及び研究


  


明るい未来に向けて

 今回は2回目の研修でしたが、ホームシックには少し苦労しました。そんな私を友人たちは頻繁にいろいろなところに招待してくれ、寂しさを紛らわすことができました。

 辛かったのは日本の冬です。フィリピンのベンゲットには涼しい季節はあっても、寒い季節はありません。ですから、1月、2月の寒さはとても厳しかったです。休日、暖かい日には買物やジョギング、サイクリング、教会や友人の家に行ったり、お祭りにも参加しましたが、寒いと研修でさえ外に出る気力がなくなりました。

 一番印象深い思いでは、本川村での“氷室祭り”、そしてその後の友人たちとの宴会です。仲良くなった友人たちとの思い出が一番の宝物です。

 研修では、広範囲に渡って研究をしました。今後大いに役立つものと思います。

 研修では言葉が大きな壁となり、研修分野に関する専門家との話し合いや作業に支障を来たすことがありました。また、技術テーマは日本人でさえ理解が難しいもので、本当に苦労しました。苦労している私に、教官は解りやすく忍耐強く説明してくださり、とても感謝しています。

 しかし、もう少し高い能力があったら、もっと多くのことが勉強できただろうと思いましたが、以前の研修と違って効率よく日本人とも意思疎通ができ、多少ですが日本語の上達を感じることができましたが。

 私にとって必要な主題、論題に関して、ここ高知県農業技術センターは充分な答えを与えてくれました。また、農家の方々から検察や研究の機会を与えていただき、とても満足のゆく研修になりました。そして世界の農業産業のより良い考え方を身に付けると同時に、私の研究との関連性を深めることができました。私の学んだ作物の生存保護増加計画は、今後ますます発達することと思います。

 ベンゲットでは害虫駆除官として働いていますので、今回の研修で得た知識を用いて、農業者と共に害虫や病原体の問題解決に向けて努力していきたいと思います。



←前のページ ▲最初のページ