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Spring No.28




Letters from
Abroad

--- 高知県出身で、現在、
青年海外協力隊として
ご活躍されている方々の
お手紙をご紹介します。---



「目で見たタンザニア」

川上 確也(職種)小学校教諭 (派遣国)タンザニア


 「ジャンボ!」通りすがりの知らない人にでも気軽にあいさつをかわす国、それがタンザニア。「タンザニア」と聞いて、どこにある国なのか分かりますか?「たしか、アフリカだったよね」こう答えられたらまずまずでしょう。そのくらい日本人にはあまり馴染みのない国だと思います。
 タンザニアはアフリカ大陸の東側、赤道の下に位置しています。キリマンジャロコーヒーって聞いたことあるでしょう?そのキリマンジャロ山がある国です。ちなみにキリマンジャロコーヒーは輸出向けで、地元の人はもっぱら紅茶にミルクを入れたチャイを好んで飲んでいます。
 最近ではマサイ族の暮らしがテレビで紹介されたと聞きます。だから「アフリカの人たちって、みんな牛の糞か泥で作った家に家畜と一緒に住んでるんでしょう?」などと、とんでもない返事が返ってくるかもしれません。伝統的な暮らしを守る部族も中にはいるでしょう(タンザニアには約130の小部族があると言われています)。しかしながら、首都や地方都市ではコンクリートの家が立ち並び、道路には自動車やバイクが行き交っているのです。
 今回、研修の一環としてタンザニア人の家庭に3泊4日のホームステイをしました。ムヤベという標高の高いところにある街で、アフリカといえどもセーターが必要なくらいに寒いところです。お土産は高知から持ってきた和紙の折り紙。もちろんホームステイ先の人たちにとって、折り紙は初めての体験。何度もやり直し、悪戦苦闘を繰り返しながら、ようやく鶴を完成。苦労が多かったものの、なかなか好評でした。他にも蛙や兜などをホームステイ先の子どもに作ってあげました。ホームステイ最後の夜は家族みんなでダンスパーティー。一生懸命真似をして踊るのですが、どこかが違うらしく、みんな私の踊りを見てゲラゲラ腹を抱えて笑っていました。
 これから先、お互いの国のことをどこまで伝え合うことができるか楽しみです。




「おいしさの秘密?」
大田 裕世(職種)手工芸 (派遣国)バングラデシュ

 1ヶ月に8リットルと1袋。これは何の量か分りますか?
 バングラデシュでは普通、米を中心とした1日3回の食事と夕方1回の軽食をとります。朝食は、小麦粉と水と塩を混ぜたお好み焼きの生地のようなものを薄く伸ばして焼いたルティやご飯。昼夜は主にご飯。右手を使って、ご飯とトルカリと呼ばれるおかずをよく混ぜてなじませてから食べます。トルカリは肉(牛、アヒル、羊、鶏)、魚(イリッシュと呼ばれる川魚やエビをベンガル人は好む)、野菜で作られます。そして、夕方におやつとしてチャと呼ばれるミルクティとビスケット、果物などを食べます。
 では、最初に出した質問の答えをトルカリの作り方の中から探してみてください。


「かぼちゃとエビのカレー」

≪材料≫

・かぼちゃ

…500g

・小エビ

…150g

・玉ねぎ

…2〜3個(バングラサイズ!ゴルフボールより少し小さい)

・ターメリックパウダー

…ティースプーン1杯

・チリパウダー

…ティースプーン1杯

・にんにく 

…10片(これもバングラサイズ!おつまみの「かきの種」の大きさ)

・青とうがらし

…4〜5本(辛いのが苦手な人は少なめに)

・塩

…ティースプーン山盛り1.5杯

・油

…たっぷり目

・水

…1カップ


≪作り方≫

  1. かぼちゃを一口サイズに切る。
  2. 鍋にかぼちゃ、ターメリック、塩、水を一度に入れて煮る。
  3. 玉ねぎの薄切りをたっぷり目の油できつね色になるまで炒め、そこにAのかぼちゃを入れる。そして、にんにくと青とうがらしをペースト状にしたものを加える。
  4. 30秒くらい火にかけて出来上がり。チリパウダーは火からおろすちょっと前に加える。


* にんにく等は、火にかけすぎると香りが飛んでしまうので気をつけて下さい。


 さあ、答えはわかりましたか?正解は油と塩。ベンガル人全員がそんなにたくさん使っているわけではないのですが、日本と大きく違っていたので問題にしてみました。それにしても、油の使用量が1ヶ月に8リットルとは、すごいと思いませんか?

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