ニーハオ安徽

1999年 第10号

 

 

安徽省博物館名品展開催報告
 高知県と安徽省の友好提携5周年を記念して、8月4日から9月12日まで高知県立美術館にて安徽省博物館名品展−中国悠久の至宝−が開催されました。8月5日に行なわれた安徽省文化友好訪問団及び安徽省学術交流団の歓迎レセプションでは、橋井会長の歓迎の挨拶を受けて、安徽省文化友好代表団奏徳文団長から「高知県の安徽省に対する厚い友情を強く感じております」との感謝のお言葉をいただき、これからの両国、両県省の友好関係のさらなる進展を約束しました。
 この展覧会に準備の段階から携わった高知県立美術館学芸員の川島郁子さんに寄稿していただきましたので、ご紹介します。



「安徽省博物館名品展―中国悠久の至宝―」を終えて
                  高知県立美術館   川島 郁子  
 この展覧会は平成6年に文化交流の一環として準備が始まりました。海外の美術作品を紹介する展覧会はそれまでにも行っていたのですが、高知県立美術館で単独開催の展覧会は初めてでした。出品作品の決定には高知県立美術館の希望に対し、安徽省博物館から多くの助言をいただきました。平成8年1月には安徽省で展覧会開催の協議書が結ばれ、高知県立美術館の開館五周年記念の展覧会として平成10年の開催に向けて準備が進められていったのです。平成10年7月には安徽省博物館を訪問し、作品輸送のための調査を行い、開催の最後の準備をしている途中、9月下旬の集中豪雨によって水害にみまわれました。水害は一階及び地階という広範囲でしたので、予定どおりの開催が不可能となったのですが、安徽省博物館から展覧会の延期を提案していただき、今年の開催となりました。
 安徽省博物館は、省都合肥市にあります。科学、歴史、美術などの分野の総合型博物館です。安徽省の悠久の歴史によって文化遺産は省内に数多く残されています。こうした恵まれた条件によって23万件をこえる収蔵品を有する中国でも屈指の博物館として知られています。
 展覧会には青銅器、陶磁器、美術工芸・彫刻、絵画、書、文房四宝・文房具、徽州磚彫(煉瓦の彫刻。徽州地方の建築の外壁装飾のひとつ)の七分野から約130点の作品が出品されました。
 展覧会の関連企画としては、安徽省博物館長朝源氏による展覧会記念講演会「安徽省博物館と中国美術」、安徽省関係の映画を中心に8本を上映した「中国映画祭」、中国の伝統楽器である二胡と琵琶の「姜建華・楊宝元デュオコンサート」、文房四宝のひとつである硯の創作講座、安徽省を紹介する写真パネル展や作品解説など開催しました。
 また、安徽省から代表団の方々をお迎えし、8月4日の展覧会の開幕日には高知県の、8月5日には高知県安徽省友好交流委員会の歓迎レセプションが行われました。
 会期中には報道関係の代表団も訪問され、その時に行われた取材で展覧会の様子は安徽省でも紹介されたそうです。そしてスポーツの代表団の皆さんにも展覧会を観ていただくことができました。
 今回、安徽省から多くのお客さまをお迎えできたのですが、展覧会にあわせて滞在していた安徽省博物館の皆さんは、高知で安徽省の方々と会えたことを大変喜び、安徽省での再会を約束し、帰国後の交流を楽しみにされていました。

 
 

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