■合弁会社設立の経緯を教えてください。
1995年10月、大旺建設の中谷代表取締役会長が蕪湖市を訪れた際に、蕪湖市第一建築工程公司との間に合弁会社設立の話が持ち上がりました。その一月後の11月には早速担当者が蕪湖入りし、12月には合弁契約を結びました。そして、資本金3億1千万円にて蕪湖経済技術開発区に会社を設立。合弁比率は日方58パーセント、中方42パーセントでした。役員のうち董事長と総経理(社長)は中方が、副董事長と副総経理、董事は日方が担当しており、総会は隔年で高知市と蕪湖市で開いています。
■経営規模はどのくらいですか?
設備としてはミキサープラント一式、ポンプ車2台、ミキサー車8台を所有し、売上高は1億5千万円程度です。
現在の職員数は47名。すべて中国人です。1996年に3名が研修員として来高し、ミキサープラントのオペレーション方法やポンプ車の使い方といった技術指導を受けました。それ以後、研修員の受入れはありませんが、社内研修に対する考え方がしっかりしているので、運営上の問題はありません。 |
ミキサープラントをバックに右から童総経理、 橋詰副総経理、合肥市生コン組合代表
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ミキサープラントからミキサー車に生コンを流し込む
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■経営状態はどうですか?
設立当初、蕪湖市には当合弁会社以外に生コンクリート会社はなく経営もうまくいっていたのですが、その後バタバタと10社ほどできたために過当競争が始まり、3年後には赤字に転じてしまいました。しかし、当社の生コンクリートは品質管理が良いと評判で、値段が高くてもうちの製品でなければいけないと言ってくれる顧客も多く、今年度は黒字が見込まれています。蕪湖市の開発が進むにつれて、注文も増えてきています。
■大旺建設側はこの合弁会社にどのように関わっているのですか?
最初に出資をしただけで、後の経営云々はすべて中方に任せてあります。社長が非常にまじめな方なので、安心して任せられます。
以前、大旺建設は東南アジアに進出したこともあります。そのときは日本人社員を派遣していたのですが、その場合、あまりうまくいかなかったんです。きっと、現地の法律や諸習慣について知らず、言葉も不自由な日本人の「教えてやる」という少し見下したような態度が、あちらの方に受け入れられなかったんでしょうね。
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いくつかのプロジェクトの中で、日本人を派遣せず現地のパートナーに任せる方法をとってうまくいったケースもあります。その経験から、合弁会社を設立するにあたっては、信用できる相手と組み、信用したら相手にまかせることも一つの選択肢だということを学びました。
蕪湖市での合弁会社の場合、とても信頼できる相手と組むことができたので、非常に運がよかったと思っています。 |
盛大に行われた操業開始記念式典
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■合弁会社を設立してよかったと思われることはありますか?
大旺建設は設立当初に出資と技術提供をしただけで、その後は適時アドバイスをするといった形をとっています。今は、経営も順調で非常に気持ちのいい仕事ができています。蕪湖側も喜んでくれており、高知市の友好都市である蕪湖市に貢献することができて、私どもも大変うれしく思っています。
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