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私の国のこだわり 〜イギリス編〜

 国際交流員:ダニエル ロックマン (高知県国際交流協会)

私たちは古いものを大切にします
古いものには、それに込められた思いや歴史が詰まっているから価値があるのです

 
イギリス南部の港町RYE マーメイドストリートにあるホテル「マーメイドイン」


 イギリスは、街の中心地なのに車が入れない地域や、入る時はお金が必要な地域があります。歴史的建造物を、車の排ガスによる悪影響から守るためです。ガソリンではなく、ガスを燃料としているバスやタクシーは無条件で通行できます。例えばロンドンの中心地の場合、普通車は一回乗り入れる度に500円ほどの乗入料が必要です。エリア内の各出入口に設置しているカメラがナンバープレートの写真を撮ります。ナンバープレートは個々に登録してありますので、1ヶ月分まとめてた請求書が家に送られてきます。支払い方法はとても簡単なんですよ。ロンドンの中心地以外にも、街の中心地には歴史的な建造物が残った地域が沢山あります。中には車を乗り入れてはいけない地域などもあり、違反をすると罰金を支払わなくてはいけません。

 ヨーロッパの人々は基本的に古い物を大切にします。家でいうと、日本では50年くらい経つと、倒れそうで、本当に古く見えますよね。私の家族が住んでいるイギリスの家は、130年ほどの歴史があり、私たちで4世代目です。でもこのくらいなら普通の家です。50年程度なら、“新しい”と表現します。家を建てるときは時間もお金もたっぷりかけて立派な家を建てます。これから先何百年もの間、人が住むためです。たいていのお金持ちは、300年から400年ほどの歴史がある、古い家に住みたがります。イギリスでは、古い家ほどスタイルが良く、味があり、価値があると判断するのです。古くなるほどその価値も上がっていきます。

 建物に限らず、物に対しての意識も同じです。『楽器』、『皿』、『花瓶』、『家具』、『絵』など様々な物が、何世代も前から受け継がれています。この習慣はとても一般的で、私の家にも色んな物があります。破損や故障をすると、修復して、次の世代に受け継ぎます。古い物には、それを大切にしてきた人々の思いや、歴史がいっぱい詰まっているからです。

 日本では、新しい物を好み、それに価値を見出すところ、イギリスでは、古い物を大切にし、それに価値を見出すところに、物に対しての意識の違いを感じます。

 『古いものを大切にする』これは私たちにとって普通の考え方であり、私たちの”こだわり”でもあります。




ロンドン市内の古い木造デパート「LIBERTY」

ロンドン市内のパブ(2Fはシャーロック
ホームズの部屋を忠実に再現している)

ロンドン郊外の城と美しい庭


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