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国際交流推進事業韓国光州友好訪問団来高平成16年1月7日から13日までの日程で韓国光州広域市国際高等学校の生徒たちが来高しました。紙漉き体験や明徳義塾高等学校竜国際キャンパスでの文化交流、そして、ホームステイを体験しました。彼らは高知を、そして日本をどう感じたのでしょう。 |
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初めての手漉き体験 「誰に手紙を書こうかな」 土佐和紙工芸村にて |
いの町紙の博物館 館内案内 |
土佐和紙工芸村 施設案内 |
日本伝統の香『和紙』イ・ゼヒョン(1年) 伊野町紙の博物館は和紙の歴史、原料と道具、手漉き教室、現代の和紙など4つの展示室に分けられている。中国で発明され、韓国を渡って日本に伝ったという『紙』は日本伝統の香りがある和紙に発展したとの説明に感心した。また、今までメモ用紙に過ぎないと思っていた紙が、ロケットの部品など多様に使われているとの説明があり、今更ながら紙の偉大さを感じることができた。最後の展示室に移動し、実際に土佐和紙が漉かれていく工程を見た。和紙の一枚一枚に真心を込めて作っていた。 今回の訪問をきっかけに、多くのことを学ぶことができた。韓国では一度も『紙の博物館』を見たことがなかった。実はそのようなところがあるかどうかも知らないほど全然興味がなかった。日々何も考えずに紙を無駄使いしている自分が恥ずかしくなり、韓国へ帰ったら大切に使おうと心に決めた。
初めての紙作りキム・ソルヒ(1年) 紙を実際作るのは初めてでしたが、細かい説明がとても分かりやすく、すごく楽しかったです。真心を込めて紙を漉き、その上を綺麗な花や葉っぱで飾りながら『私が作った紙をもらう人は、きっと喜ぶだろう!』と思いました。紙は工場で簡単に作られるもので、ただの筆記用具に過ぎないと思っていましたが、その行程や手間などを知れば知るほど、何気なく使っている紙が違って見え始め、紙の大切さを知ることができました。 そして地域特有の土佐和紙の伝統を継承している土佐和紙工芸村を訪問した時、わが国の紙の伝統や歴史、原料などについても興味が湧いてきました。こういう伝統が今後も維持されることを祈っています。
わずかな時間で感じた暖かい心イム・ハラ(1年) 韓国の学校と比較してみると、生徒数に対して先生の数が多いこと、部活動が活発に行われていること、個人のレベルに適合する授業が受けられることなど、韓国とは違う教育環境がとても興味深かったです。羨ましくも思いました。 お茶会では、極上のオリエンタルな美が味わえました。韓国では“茶道”のようなものを見たことが無かったので、一番印象深かったです。 和菓子を食べてからお茶を飲みました。抹茶の苦さと和菓子の甘さは最高の相性だと思いました。口の中には先に食べた和菓子の甘さが残っていて、お茶の苦さをなくすと同時にその苦さで口の中がスッキリしました。そして知らず知らずに心が落ち着きました。これが“茶道”の魅力ではないでしょうか? その後空手を見ました。漫画とは違う本物に感動!!時間が無かったのが残念でしたが、実際に見ると、また違った迫力があり素晴らしかったです。 私をみるやいなや腕を組んでくれた明徳義塾高校生。日本では友達同士で腕を組んだり、手を握ったりしないと聞いていたので、韓国人である私に配慮してくれた行動だと思い、すごく嬉しかったです。ほんのわずかな時間の学校訪問でしたが、私にとっては高知県の人たちの温かい心を知ることができた素敵な時間でした。
明徳義塾高等学校では、※国際コースの1年生との交流、茶道体験、空手見学をしました。
ホームステイをして学んだこと二宮 弘(ホームステイ受け入れ家族) 『キム・ジョンユン』君は、旅の疲れからか、初めての日本でのホームステイに緊張していたのか、最初はとても物静かでおとなしい男の子という印象だった。こちらの問いかけに、ジェスチャーで一生懸命に答えてくれているうちに少しずつ笑顔がふえ、なごやかな雰囲気になった。『日韓英辞典』と『指さし会話帳』により魚が嫌いだとわかり、今回は残念ながら名物の『かつおのタタキ』は幻の食事となった。 2日目、龍河洞に到着。鍾乳洞が初めてのキム君。人工のテーマパークだと勘違いされては大変だとパンフレットをもらいに行くと、英語版はあったが、アジアの言葉は無かった。 2月、高知龍馬空港の滑走路も延長となり、ついに高知県も国際化が進み始めた。この機会に高知城、桂浜、龍河洞、県立美術館などの観光地には、韓国語版や中国語の歓迎の言葉やパンフレット、そして携帯音声ガイドの無料貸し出しなどをしてはどうだろう。ホテルにはアジアからの観光客を満足させる料理を構え、魅力ある高知県をアジアに情報発信することが、一歩進んだ国際化につながると思った。 2日目の夕食は、一番のホストである長男、崇彰の手料理『チヂミとお好み焼き』パーティーとなった。ピリ辛のチヂミのタレに思わず日本語で「おいしい」と言ってくれたキム君。味覚は二人の心を解きほぐした。TVのバラエティー番組に夢中になり、辞書を片手に笑いを共有し、しばし大きな笑い声に包まれた。その姿を見ながら、この二人の若者が大人になった時、お互いの歴史や伝統、文化を理解し、認め合い、両国の交流がさらに深まることを願わずにはいられなかった。 今回、家族で異文化を共有できたことで、言葉は通じなくても心は通じるということをしっかりと実感でき、とても有意義で素晴らしい時間が持てた。しかし、より確かに、より深くコミュニケーションをとるためには、やはり言葉は重要であることがわかった三日間でもあった。
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