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Winter No.27





第3回国際メッセージ



 平成12年11月24日、中村市において第3回国際メッセージが開催されました。今年は日本人6名、外国人6名(アメリカ2名、オーストラリア3名、ニュージーランド1名)の計12名の参加者が国際交流や協力の経験をもとに、それぞれのメッセージを発表してくれました。最優秀賞に輝いた清水高校2年、作田優美さんのメッセ−ジをご紹介します。

発表者と演題

パトリシア ジェイコブセン

「自分らしい」

横山 厚美

「第二公用語」

キャサリン コンパ−ティ

「日本の動物?」

 良子

「中国の老人ホームを訪問して」

 和興

「ラオスの娘に会いたい」

マケロイ シェーン

「1日にしてならず」

ピーター マロスキ

「留学生の生活」

伊藤 博美

「韓国〜近くて遠い国〜」

溝渕 亜樹奈

「自分探しの旅」

ケンダル ハイツマン

「子どもたちの中で」

作田 優美

「私の夢〜国際人を目指して〜」

マイケル マッキンベン

「ジェームズ ディーン」



 私はジャーナリストになりたいという夢を持っています。そのきっかけになったのが、テレビで放映されたパレスチナの衝突事件です。テレビには父親とその子どもが銃で暗殺される瞬間が映し出されていました。それまでにも、テレビや写真などで戦争の現場を見たことはありました。しかし、実際に「殺さないでくれ」と叫んでいる人が銃で撃たれ殺されてしまうのを見たのは初めてだったので、本当にショックでした。
 その時から私は、ジャーナリストになって世界中で起こっている紛争を取材し、世界中の人々に「どうしてこのような悲惨なことが続くのか」と問いかけていきたいと思うようになったのです。そして、1秒でも早く、世界から戦争を無くしたいのです。
 そこで、「なぜ、人々は争うのか」について考えました。一つしかない物を奪い合い、そのために何人もの人々を殺して何が得られるのでしょうか。私は人々が争う理由には宗教や民族の違いなどの様々な問題があり、一人ひとりの価値観の違いが争いを招くのだと思います。もし、価値観や宗教などを互いに認め合うことができるならば、争いはなくなるのではないでしょうか。そのためには、相手の国やその国の人々の文化や価値観を知ることが大切だと思います。
 しかし、どうしても日本の中だけで外国を知ろうとすると、日本というフィルターを通して見てしまいます。日本というフィルターを取り除くには、直接自分の知りたい国へ行くしかないのです。私自身、昨年の夏にマカオへ行ったときに、そのことを実感しました。  
 ガイドブックに載っているマカオは中国大陸の端にあり、ポルトガル領でもあったので、東洋と西洋の文化が混ざった所でした。それは「日本では見ることのできないものがたくさんあるだろう」と、胸を膨らませるものでした。
 マカオに行ってみると、日本では見ることのできないものを見るというよりは、マカオの真実の姿を見ていなかった自分に気付きました。タクシー乗り場でドアを開けてチップをねだっていた男の子や、観光地には手に小さな缶を持った物乞いの人々がいましたし、島の片側では高級マンションが立ち並び、その反対側には荒廃したビルにたくさんの家族が肩寄せ合って暮らしていました。それがマカオの真実の姿だったのです。
 相手の国の文化や価値観を知り、それを自分の国の文化や価値観と対比させることによって考え方は変わってくると思います。その考え方が一つの国だけではなく、世界という視野に立つことができる人こそ、国際人と呼べるのではないでしょうか。
 私はこの国際人というものは、一人の人間として人のために何かをする人だと思います。私にとってその何かとは世界から戦争をなくすことでした。世界中の人々が思いやり、理解することができるようになるには、一人ひとりが自分の国や民族にとらわれずに人間としてお互いに向き合うことが大切だと思います。それは世界的な視野に立ち、物事を見るということにもつながるのではないでしょうか。
 私は必ず自分の夢を叶えようと思います。ただのジャーナリストではなく、国際人としてのジャーナリストになろうと思います。

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