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「内閣府青年国際交流事業」に参加して 平成13年度内閣府青年国際交流事業に4人の高知大学生が参加しました。「世界青年の船」に参加した間嶋祐樹さん(3回/新潟県出身)と中垣尚子さん(2回/三重県出身)、「ジンバブエ派遣」に参加したTMさん(2回/広島県出身)、「日本青年韓国派遣」に参加した三浦弘史さん(3回/山口県出身)。「参加して良かった!」と口を揃える4人が見て、感じて、考えたこととは…!? |
TM 世界が広がったことです!マザー・テレサの孤児院でボランティアをしたことがある人など様々な経験を持つ参加者から大いに刺激を受けました。社会人の方も大学を4年で卒業した人は少なく、在学中に休学して海外へ行ったり、今やろうと思ったことや、やりたいと思ったことを楽しんで実行している人が多かったです。高知や広島にいては分からないこともある、ということを実感しました。 中垣 そう、参加者には活発な人が多くて「自分ももっと頑張らなきゃ!」と思いました。いろんなアイデアを持っていたり、企画力があったり。同年代でこんなにすごい人がいるのかと驚きました。 間嶋 自分の考えをしっかり持っている青年が多かったですね。ギリシャ青年の議論の熱さにはついていけなかったけど…。さすが哲学発祥の地だと思いました。絶対に自分の意見を曲げないんです。人が発言していようがいまいが、かまわず自分の意見を主張する。僕はただただ圧倒され、ディスカッションでは一言、二言しか発言できませんでした。 三浦 僕も一緒に参加した仲間から得るものが多かったです。自分の意見をはっきり主張できる彼らを見て、最初は困惑したものの、意見を言うことの大切さに気付きました。また、みんな何かしら自分をアピールできるものを持っていました。空手が得意な人は韓国で披露したり。 TM 青年海外協力隊のように、私が将来進みたいと思っている道で活躍している人々の姿を見られたことも貴重な体験でした。それまではすごく遠い世界のように感じていたことが、頑張ったらできるかもと実現可能な世界に思えてきました。 心に残る出来事や出会いはありましたか? 中垣 インドの青年にヨガを教えてもらった時のこと。彼女はポーズをとりながら「眉と眉の間に神をイメージして」と言うのです。私が「神様なんて見たことないからできない」と言うと、「そのうち見えるようになるから焦らなくても大丈夫。まずはお母さんをイメージしながらやってみなさい」とのアドバイス。彼らが神とともにあることを実感しました。 間嶋 心に残っているのは、寄港したニュージーランドで登校拒否児童らが通う学校を訪問した時のことです。そこでは地域の学校に適応できなかった子どもたちが、自分の個性を発揮し、伸び伸びと学校生活を送っていました。それを見て、それまでは社会の枠に適応できないからと差別する目もあったけど、「こういうのもありなんだな」と思えるようになりました。広い視野で物事を考えられるようになりました。 TM ジンバブエの子どもたちのために学校、孤児院、そして工場を建てたオランダ人女性との出会いが印象的でした。彼女は、ふと訪れたジンバブエの子どもたちの状況にショックを受け、何か子どもたちの役に立ちたいと、帰国後1年間働いて貯めたお金でそれらの施設を建設し、今も現地で活動しています。 「オランダではお金も稼げるし、家族もいるし、恋人もいる。戻りたくないですか?」と聞くと、「そこでは手に入らないものがここでは手に入る。それがわかったから今はここで幸せ」という返事が返ってきました。女性の繊細さと男性のたくましさを持ち合わせ、そう語る彼女はキラキラ輝いて見えました。私には孤児院の先生になりたいという夢があります。ジンバブエの子どもたちのために奮闘している彼女の姿を見て、私にもできそうな、そんな自信が湧いてきました。 三浦 天安市の学生と2泊3日を過ごした合宿セミナーでは、一緒に独立記念館を訪問しました。その後の気まずさは今でも忘れることができません。日本人に対してどう思っているのか…。聞きたかったけど聞けませんでした。天安市の学生も何も聞いてこなかった。残念なことをしたな、と思います。もう少し突っ込んだ話ができたらよかったな。 文化の違いから苦労したことは? TM ジンバブエでは腕時計をしている人を見なかったし、政府の省庁にも掛け時計はありませんでした。(笑)スケジュールを全く気にしないので、あまりのルーズさに一時は団の雰囲気もピリピリ。「今、世界は欧米諸国が創ったビジネス社会の構造に基づいて回っている。」「ジンバブエが発展を選ぶのなら時間の概念は持たないといけない。」そんな議論をしながら、発展をとるか、文化を守るか、それはジンバブエ人にまかせるしかない、という結論に達しました。ジンバブエに行くまでは「文化の違いも理解できる!」と思っていたんですが…。 中垣 私はギリシャの青年を見て、こんなにマイペースで生きていけるんだと思いました。ミーティングがあるのに時間を気にせずプールで泳いで、バスタオルを巻いたまま「ゴメン、ゴメン」と謝りながら部屋に入ってきたり。その点、アジアの青年は真面目できっちりしていましたね。アフリカの青年からは、船の上で学んだことを自国に持ち帰って国に貢献したいという熱意を感じました。 事業に参加して得たものは? 三浦 やっぱり一緒に韓国を訪問した仲間でしょう。事前研修の段階では、みんな自分の意見を言うだけの人かと思っていました。でも、旅の途中、僕が意見を言うと彼らはちゃんと聴いてくれたんです。この人たちは言うだけじゃなくて聴くこともするんだと信頼度がグッと増しました。大学の友達よりもズバズバ言い合える仲間です。この縁をずっと大切にしていきたいです。 間嶋 船の上では欧米、南米、中東、アフリカ、アジアの青年が一緒に生活します。そんな環境に2ヶ月間も身を置くと、外国人に会っても恐いと思うことがなくなりました。(笑)話してみると、案外、みんな普通だったんです。それと、人にものを伝えよう、コミュニケーションをとろうと自分から思えるようになりました。自分を表現することの面白さを発見したんです。あと、僕でも外国人の笑いが取れたのはうれしかったですね。司会をした時にマイクのコードに引っかかる振りをしたらこれが大ウケ!おかげで船の上ではちょっと知られた存在でした。大勢の中でも埋もれることなく自分をアピールできたというのは、大きな自信に繋がりました。 中垣 実感したのは自分の知識不足です。正直、「なんで私はこんなに何も知らないの。なんでこんなんなん?」って落ち込みました。外国人青年に質問をすると、どんな質問にもきちんと返事が返ってきます。でも逆に、「じゃぁ、日本は?」と聞かれた時に答えられない。外国人青年が自国に誇りを持ち、自分の国について語れることに感心する一方で、日本について何も知らない自分に改めてショックを受けました。でも、知るきっかけになって良かったと思います。足りない分だけ得る分も多かった。 今後の抱負を聞かせてください。 三浦 韓国に行ってみて、僕も少しは発言してみようと思うようになりました。団員みんな頼れる人だから、僕も彼らに頼られる人になりたいです。 TM 大学に入ってから室戸少年自然の家で子どもたちとキャンプをしたり、NGOの活動に参加して高齢者の方々と交流したりしています。日本でできない人は海外に行っても何もできないと思うんです。まずは今できることを、今いる高知でやっていきたいと思います。 中垣 参加者にはコミュニケーション能力に長けている人がたくさんいました。人を楽しませる力、積極的に話をしようとする意欲、豊富な知識。私もこの3つを兼ね備えた人になりたいです。積極的に発言している人でも話をしてみると「やっぱり緊張するよぉ」と言っていて、みんな同じ気持ちなんだなと思いました。勇気を出して一歩踏み出すか踏み出さないかの違いなんですね。今回、船に乗ることによって気付いた自分の弱点を克服できるよう、これから頑張っていきたいです。 間嶋 英語ができなくて悔しい思いをしたので、TOEIC受験を目標に英語を勉強します。そして、近い将来、船で会った友達を訪ねて世界を旅したいですね。ニュージーランドで食べたムール貝をまた食べに行きたい! |
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