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私は激動と感動の世界にいた〜生命の尊さ、不思議さ、自然の大切さを感じながら〜
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H14年度高知県海外技術研修員韓 方勇 |
農業技術センターで研修中の韓さん |
今、日本での10ヶ月の生活を終え感無量です。私は一人の中国人として日本と高知の大きな発展と変化を目撃することができました。日韓で共同開催されたワールドカップ・サッカー、小柴昌俊さんと田中耕一さんが同時受賞したノーベル賞、日中両国で開催された日中国交正常化30周年記念事業、高知国体の開催、明徳義塾高校の夏の甲子園優勝、朝青竜の横綱昇進など、私は激動と感動の世界にいたのです。 20世紀の後半、日本は、自動車、家電、通信、ITの分野で世界のトップに立ち、近年では、ナノテクと呼ばれる微細技術や新エネルギー開発の分野でも世界のトップグループにいます。私は、日本のこのような成功の原因を次のように考えています。 第一に、日本人は強い向上心があるということです。技術や工程管理の革新を不断に行い、新分野への研究も行っています。私が高知に滞在した10ヶ月の間に携帯電話が何代も更新されました。また、新しい電子辞書やデジカメ、パソコンなどが通信連絡の工具として新機能を集積しています。 第二に、日本は法制度が完備し、日本人は社会や仕事の規律を厳守するということです。また、国民は公衆道徳を守り、交通秩序も整然と保たれ、穏やかな生活と生業を送っています。これは日本が素質教育(人格や道徳教育)を重視し、人材育成に時間とお金をかけている証拠です。 第三に、日本は環境衛生を重視しているということです。製造業の環境対策は進み、製造過程においても公害を出さないように開発されています。農産物は有機減農薬の方へ発展しているし、生活ゴミの分類処理も進んでいます。空気は新鮮で青い山と緑の川がいたるところにあり、これらは日本人の長寿を支え、健全な生活と仕事の環境を作っています。
さて、私の高知県での研修場所は、南国市にある高知県農業技術センターです。私はここで、「おしべを培養して、その中に含まれる花粉から植物体を育成し利用する」というバイオ技術を研修しました。3アールのビニールハウスが私たちの試験場所です。高知県民のおもてなしのような「あたたかさ」を一年中感じていました。(笑) 研修の思い出と言えば、広島と京都、大阪への研修旅行があります。広島では、自動車工場や原爆資料館を見ました。原爆資料館の資料の一つひとつに人々の悲しみと怒りが込められています。原爆の惨禍から蘇ったヒロシマの願いは、核兵器と戦争のない平和な社会を実現することだと思いました。 京都では、金閣寺、清水寺を見学したあと嵐山を散策しました。嵐山には、周恩来総理の記念碑があり、日中友好の歴史を顕彰していました。1972年に日中両国の国交正常化がなされ、この30年間の友好親善があったからこそ、平和な世界の中で研修できる今の自分があるのだと、静かに手を合わせました。 大阪の海遊館では太平洋を巡る海の旅を疑似体験し、生命の尊さ、不思議さ、そして自然環境の大切さを深く感じました。今回の私たちの出会いも不思議で尊いものだと思います。みんなで協力し合い自然環境を大切に守りながら、高知県民と安徽省民の友好と友情を深めていきたいと思っています。 |
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